生まれてすぐは人に食べさせてもらう。
次はスプーンで食べるようになり次は箸を使えるようになる。
やがてスプーンになりそして、また人に食べさせてもらうようになる。

日本においてお箸は「生命の杖」といわれ、「箸が持てなくなったら、もうおしまいだ」とも言われるくらい、私たちの生活とは切っても切れない結びつきがあります。歳をとるとやがてスプーンしか使えなくなりますが、少しでも長くお箸を使って美味しく食事をしていただきたいと思います。

年配の方にとってのお箸

美しいお箸で料理を食べてきた日本人ですから、歳をとってもできるだけ長い期間、お箸で美味しく食べて欲しいものです。
私の父もそうですが、病気や高齢になるとお箸を持つために重要な把持力が弱くなります。
把持力というのは人差し指と親指で挟む力のことです。
また歳をとり、肌の水分量が減少し、手が乾燥することで物を落とし易くなります。
そうなると思い通りにお箸を使うことができなくなります。
問題なのはこのことが引き金となって、イライラしたりすることで食が進まなくなることです。 
高齢者はスプーンやフォークよりお箸のほうを好みます。これは、洋食より和食の方を好むからだと思います。ですから、高齢者の方に使い易いお箸を選んであげることはとても大切なことです。

太目のお箸がおすすめです。

高齢や病気によって把持力が弱くなってもお箸を使うために重要となるのが、箸の太さです。 
お箸が細いと、お箸が手から抜け落ちてしまいますので、太目のお箸を選びましょう。 
現在、私どもではリハビリテーションセンターと共同で、手指の力が弱くても無理なく食べられるお箸の開発を日々行なっております。

お子さんの成長にあわせて、手に合うお箸を選んであげましょう。 重すぎず、軽すぎず、また、程よい長さのお箸を選んであげましょう。