私の父は10年ほどまえに脳梗塞となり、手の力が弱くなり物を持てなくなりました。
私の家はお箸を生業としてきて、父も私もお箸で育ててもらったのです。いずれはスプーンを使うことになるのでしょうが、父にはできるだけ長くお箸を使ってもらいたいと思いました。
いろいろ検討した結果、「お箸がうまく使えなくなるのは、お箸がその人に合わなくなったため」であることがわかりました。
そのため「再びその人に合ったお箸を作ればまた使えるようになる」ということで、フルオーダーメイドのお箸にたどり着きました。
小さなお子さんや高齢者が手でものを食べてしまうのは、お箸が使いづらいということです。
お箸は自分の手の延長なのです。ですから、人の成長や高齢化による衰えや病気などによって、手指の長さは変化し、握力や把持力も変化します。ですから、年齢や成長、病気などの身体の状態に合わせて、自分の手に合ったお箸を選ぶ必要があるのです。
お箸は非常に便利なものです。「切る」「掴む」「刺す」などいろいろな役割を果たしております。また、お箸は、ナイフやスプーンと違い手の動きと似た動きをすることができます。
我々は毎日当たり前のようにお箸を使っております。このため我々は、お箸を使えなくなって初めてその便利さに気づくのかもしれません。
私は、生まれてから死ぬまで毎日の食事を箸で行うことは、箸の文化で育った日本人にとって非常に大切なことと考えております。
生まれてから死ぬまで毎日お箸で食事をしていただきたい。
そのためには、2つのことが大切だと考えております。
一つは、安心安全なお箸であること。
もう一つはその人にあったお箸であることです。
手ばしやは、削りから塗りまで外に出さず、当社内で手作業による一貫生産を行っております。
ですから、当社のお箸を自信をもって安心安全なものとしてお客様にお使いいただけるのです。
また修理も責任を持ってさせていただいております。